2009年7月 5日 (日)

"魚のいない海" ・・・ 生態系を大切にして海産資源の持続的利用を!

_200w_4 マスメディアに流れる日本の漁業に関するニュースや論評は、とかく漁業関係者の一方的な被害者意識的な立場を前面に出したみみっちいものだ。おそらく大衆もそれに影響され、その立場に賛同する人が多いだろう。

例えば捕鯨問題なんて、その最たる事柄だ。

最近だと、「中国の経済発展が、近い将来、日本人が魚を口にする機会を奪うかもしれない。」なんて、正に被害者意識丸出しのニュース解説を耳にする。

それ以前に、海の生態系を無視した早い者勝ち漁業が、海産資源を完全に破壊するかもしれないというのに。

まったく、恐ろしいというか愚かというか。

いいかげん、我々日本人は、生態、資源、経済、全ての面でその持続性を考慮したもっと広い視野に立って漁業を考えるべきなのだ。

で、このフランス人が書いた本だが、世界で海産資源が破壊されてきた歴史を統計データや歴史書を使って解説している。

言っていることは正しいと思う。だが、自分の足を使わず、数値だけから漁業を論じているため、臨場感が薄く、読み物としては少々魅力に欠ける。

途中出てきた、”コモンズの悲劇” って言葉にはなるほどなーと思ったが・・・

本文よりも、本の始めと終わりに記された監修者勝川氏の解説の方が痛快でよほど面白い。

この本って、こんなもんかなー?

 知性刺激度    ★★☆☆☆

 難解度       ★☆☆☆☆

 社会改善志向   ★★★★★

 娯楽度       ★☆☆☆☆

 買う価値      ★★☆☆☆

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"電気自動車が加速する!" ・・・ 電気自動車賛成、でも燃料電池車は無理だろ

_200w_2 電気自動車、燃料電池車を紹介する本。車両そのものとその技術を外観することができる。分かり易い。

読んだ印象としては、電気自動車好きが書いた電気自動車賛歌。

楽観的というか脳天気というか、電気自動車、燃料電池車が持つ数々の困難、特に燃料電池車で問題となる水素生産の見通しの無さについては目をつむってる。

エコカーと社会の関係を真剣に考えようとしているようには思えない。

この本って、こんなもんかなー?

 知性刺激度    ★☆☆☆☆

 難解度       ★☆☆☆☆

 社会改善志向   ★★☆☆☆

 娯楽度       ★☆☆☆☆

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2009年3月25日 (水)

"ハチはなぜ大量死したのか" ・・・ 生物をツール扱いして大丈夫?

_200w この "ハチはなぜ大量死したのか" は、地球上の生物達が互いに密接に関与することで生態系が成立していることを教えてくれる。

タイトルとなっている蜜蜂の大量死(主として欧米の話で、Colony Collapse Disorder、略して ’CCD’ と呼ばれている現象)は、人間が、蜜蜂を産業の使い捨てツールとして利用してきたことによって起きている可能性が高いことを強く示唆。

更に、蜜蜂だけでなく花粉を担う野生の昆虫達が人知れず壊滅的打撃を受けているようだ。

生態系は数億年という歳月を掛けて復元力を備えるに至った。それが今人類の営みによって損なわれようとしているかもしれない。それも地球史的には一瞬と言えるような短時間で。

思えば、我が家の窓からは畑が見えるような場所でありながら、蝶や蜂を見ることはほとんど無い。私が幼少だった頃は、所は違えど、ずーっと虫が多かった気がする。

問題は生態系だけに留まらない。やはり数億年という時間で蓄えられた資源を人間は急速に使い果たそうとしている。代表的なのは化石燃料だが、昨年 "水の未来" を読み、水さえも利潤追求型農業による大量消費によって枯渇の憂き目にあることを知った。

そして、"チェンジング・ブルー" は、ここ1,2万年間安定していた現在の気候を、その復元力を超えた人的外力が、予測不可能な別の気候へ遷移させてしてしまうかもしれない可能性に言及していた。

今の人間の営みは、自然が持つ復元力や柔軟性の時間軸とは別の時間軸で地球に外力を与え続けている。今のままではマズイ。

"ハチはなぜ・・・" で、蜜蜂が数々のストレスにさらされていることが書かれている。殺虫剤、農薬、単一植物受粉への強制、巣房(蜂子を育てるマス)のサイズが人によって強制されていること等々。それから、空中に漂う人工物質が、場合によっては昆虫の臭覚を阻害し、半分以下の能力しか発揮できない状況を作ってしまうらしい。

なおこの本の解説では日本では欧米ほどのCCD禍は観測されてないということだったが、今日テレビを観ていると栃木のいちごが西洋蜜蜂が大量に消えてしまい、農産物が思うように育たないと報道していた。とうとう日本もやばくなってきたか。

この本って、こんなもんかなー?

 知性刺激度    ★★★☆☆

 難解度       ★☆☆☆☆

 社会改善志向   ★★★★☆

 娯楽度       ★☆☆☆☆

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2009年1月 2日 (金)

“チェンジング・ブルー” ・・・ 温暖化が、未知の気候をもたらすのか

_200w 図書館の新着書籍棚で目に留まった “チェンジング・ブルー”。

表紙にある「気候変動」の文字と、カバーに書かれた「地球は、どう変わったのか。そして、どう変わるのか。」という紹介文から、てっきり地球温暖化を論じた本だと勝手に決めつけ借りてきた。

結論から言えば、この本、当たり。

実際に読んでみると、放射性同位体の話で始まり、実際は古気候解明の歴史、解明手法の変遷をメインテーマとする本だった。最後にやっと温暖化への言及はあるが、「どう変わるのか」への答えは無い。しかし、豊富な図と分かり易い文章で、読んで良かったと思わせる。

過去の気候が語るのは、気候が、線形性と非線形性の両方の性質を備え、飛び飛びの安定解(互いに全く異なる地球の気候)を持ち、何らかのイベントを切っ掛けにして、一気に1つの安定解から別の安定解へ移行しうるということ。

著者は、今の温暖化が、未知の安定解を招く、正にそのイベントである危険性が高いと警告。

この本って、こんなもんかなー?

 知性刺激度    ★★★★☆

 難解度       ★☆☆☆☆

 社会改善志向   ★★☆☆☆

 娯楽度       ★★★☆☆

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2008年9月21日 (日)

"水の未来"

_180w 図書館の新着図書棚に並ぶ背表紙に目を走らせたとき、ある文字が、頭の中にあった1つのテーマに直結した。その文字とは "水"。この、 "水の未来" という本は、外装も水色で、見る人の目を惹きつける。

最近、テレビの報道番組が、"バーチャルウォーター" という言葉を持ち出し、日本が食料輸入という形で海外の水資源に大きく依存し、水の枯渇に荷担していると説明していた。これが、"水" が問題視すべきテーマとして頭の中に植え付けられた。

著者ピアス氏は水資源の枯渇を憂い、その多方面に渡る影響を述べているが、私なりに最重要と感じたポイントだけ書いてみる。

①水資源の枯渇は食料危機を招く。

②現在の食料は、再生不可能な地下帯水層の水にまで手を出し大量消費することで生産されている。よって破綻することは目に見えている。

③水資源枯渇の主犯は地球温暖化ではなく、"緑の革命" と呼ばれる水の大量消費に支えられた農法である。

④コンクリートを使った20世紀型治水は、数々の失敗を産んだ。特にダムは、その半数近くが利益よりも損失を産んでいる。

読んでいた面白いと思ったのは中国の話。先日読んだ "日本の刑罰は重いか軽いか" の中で、「中国は権力社会である」という説があり説得力があったが、本書に出てくる、山峡ダムや南水北調プロジェクトといった中国の大治水プロジェクトは、正にその説を裏付ける出来事だなーと納得してしまった。

本の構成は、この前読んだ "人類が消えた世界" に近い。そして取材量に関しても、本書は "人類・・・" に負けずとも劣らない。著者自らの脚でかせいだ情報量は圧倒的だ。本の解説に、沖大幹氏が環境問題を論ずる日本の著作は二次情報の寄せ集めだけという場合が多いと記しているが、大概の著作は、この2書の前では霞んでしまう。

海外で本書がどれだけ売れたのかは知らないが、おそらく "人類・・・" ほどではないだろう。"人類・・・" の方が、カバーする分野が広く扱う時間軸も長い。記述方法も読者のインスピレーションに強く訴え、多少娯楽性さえ感じる。だからといって本書が劣るということではなく、印象の問題。

著者は、最後に、雨水と、旧来のカナートの利用を薦めている。"人類・・・" が本の最後に産児制限という凡人には隔絶感ある提案をしていたのと比べると、本書の提案は理にかなっていると思える。

つくづく思う。水の問題は、環境問題と同様、治水による利益と損失を第三者の目で評価し、外部経済を内部化しないことには解決が難しいのだろう。

この本を、私は次のように評価する。

 知性刺激度    ★★★☆☆

 難解度       ★☆☆☆☆

 社会改善志向   ★★★★★

 娯楽度       ☆☆☆☆☆

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2008年9月10日 (水)

"人類が消えた世界"

_180w この本は、驚くべき取材量の賜。著者は、かなりの労力を注いで情報を集めている。これだけ世界中の専門家の話を聞くとなると、英語を話す人間でないと出来ない。金も掛かってる。日本人には書けそうもないなー。

人類が消えた世界を予想することは、人類がこれまで地球に対しどう作用したのかを解明することにほぼ等しい。よって、本の中身の大半は地球環境問題になっている。

「人類が消えた」という、その消え方だが、本書はその消え方を敢えて論じていない。ともかく人類が忽然と消えた状況を想定している。例えば核戦争なんて想定外。ともかく一瞬にして地球上から何の前触れも無く消えるという仮定で話を進めている。

よって、原子力発電所の運転員や保守員が突然いなくなり、小さなトラブルが発生してそれが必ず壊滅的事故を引き起こすというケースにも言及している。それも、441基ある地球上の全ての原子炉について。さすがにあり得ないが・・・・・

現実に深刻な問題は、重金属の拡散と、プラスチックが永遠とも言える期間地球上を浮遊することと言えそうだ。

ポリエチレン(プラスチックの一種)が摩擦材としてハンドソープやボディスクラブに混入されているという話のところでは、思わず自分家にあるものをチェック。入ってなさそう。胸をなで下ろす。

最後に即刻産児制限すべきと提案している点には驚いたが、現実そうなのかなー。

この本を、私は次のように評価する。

 知性刺激度    ★★★☆☆

 難解度       ★★☆☆☆

 社会改善志向   ★★★★★

 娯楽度       ★★☆☆☆

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2008年9月 8日 (月)

"世界一高い木"

_reduc180w264h 木の上とはねー。案外身近な所に未知の世界があるんだなー。

本書はノンフィクションと科学読み物の混合体。

世界一高い木を探し求める人物、樹上の不思議な世界に魅せられた人物達の生き方は十分にドラマティックだが、頻繁に登場する植物名に辟易する読者もいよう。

一方、科学読み物として見ると、写真やイラストがもっと欲しくなる。

しかし、個々の植物名からその形質を正確にイメージするだけの知識が無くても、文章から樹上の空気が感じられるような気がする。

本の結末が近くなると、著者自身が本書の登場人物達と肩を並べて100mを超える木に登り、樹木調査の主要メンバーになっていることが披露される。最初にそのことに触れないところが著者の謙虚さの現れのようで好ましい。

この本を、私は次のように評価する。

 知性刺激度    ★★☆☆☆

 難解度       ★★☆☆☆

 社会改善志向度 ★★☆☆☆

 娯楽度       ★★★☆☆

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2008年9月 4日 (木)

"地球最後のオイルショック"

_180w_3 面白い。多少の負担は止むを得ないとして、エネルギー獲得戦争を避け、地球環境の崩壊を招かない世界を目指す、強力なインセンティブを伴う社会を急いで実現しなければならない。

水素はダメそう。コンパクトで高効率、かつ短時間充電可能な電池さえ出来ればなー。

この本を、私は次のように評価する。

 知性刺激度    ★★★☆☆

 難解度       ★☆☆☆☆

 低能(脳)暴露度  ☆☆☆☆☆

 社会改善志向度 ★★★★★

 娯楽度       ☆☆☆☆☆

 自画自賛度    ★☆☆☆☆

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2008年2月19日 (火)

調査捕鯨と鯨食

19日の朝日新聞に、調査 “鯨肉 さばけぬ悩み” という記事が載ってた。調査捕鯨が拡大してるのに販路が貧弱なため鯨肉が売れないという内容。

朝日新聞は、8日にも捕鯨と鯨食について取り上げていた。記事は、一般の人を対象にして捕鯨と鯨食について尋ね、その回答をまとめたもの。結果は、捕鯨にも鯨食にも賛成派が多かった。まーそんなもんだろう。

私は鯨食に反対ではない。ただ、鯨が好きでもないから積極的に賛成するつもりもない。仮に自分が牛を嫌いで食べないとする。だからと言って他人に牛を食べるなとは言えない。それと同じ理屈。

一方、今の調査捕鯨には反対だ。わざわざ何千キロ、何万キロ先の海まで行って捕鯨することはオカシイ。

鯨を食べることは日本の文化だから捕鯨をするんだと主張する人達がいる。積極的な捕鯨賛成派はそのように言い張るだろう。その主張どおり、日本人は昔から鯨を食べていたようだ。ただし一部の人が近海の鯨を食べていたのであって、今のように他所ん家の海*まで行って捕ってきた鯨を食べていた訳ではない。

調査捕鯨は、マグロを食べるために日本の漁船が世界中の海を荒らすのと同じに見えてしかたない。日本がその場所(=海)からtakeだけしてgiveしない。不公平であり、負の外部経済を作り出している。捕鯨従事者は、自分たちだけがそこの資源を奪っているという意識はないのだろうか?

それに、鯨を食べる人達はそういうことを意識してるのだろうか? 疑問だ。遠い海で獲れたマグロを無頓着に食べるのと同じで、手に入れば食べるというだけだろう。

殺してしまったものは有難く食べるというのは分からなくもない。今市場に出回っている鯨肉は調査捕鯨で殺してしまった鯨を無駄にしないために食べようという理屈らしい。

しかし、調査捕鯨が目標にしているのは、結局食べるための商業捕鯨がいつになったらそこ(つまり他所の海)で出来るようになるのか早く見極めたいということだから、泥棒が他所の家の宝物を物色するのと同じだ。

日本の近海で捕れる鯨(マグロも)で我慢したら?と思う。もっとも、鯨の餌となる資源が減少したり、鯨そのものを捕獲し過ぎたために、近海で鯨が捕れなくなったのだろうから、現実には捕鯨は諦めるというのが自然だ。どうしても捕鯨をしたいなら、近海の海洋生物資源を回復させることが先決で、その後、鯨の数が回復したら捕鯨を再開し、生態系バランスが崩れない範囲で続ける、というのが筋だ。

なお、日本が捕鯨にこだわる本当の理由は捕鯨産業の生き残りであり、消費者の方はさほど鯨食にこだわってはいないように思える。冒頭に書いたとおり、19日の記事によると、販路の貧弱さが鯨肉消費の伸び悩みの理由だと説明している人達がいるらしい。その理由は嘘っぽい。8日の記事の調査は、鯨食に賛成する人が多い結果となっているというのに。鯨肉を求める人が本当に多ければ、商売人達が放っておく訳が無い。おそらく賛成している人達の大半は、自分は食べなくても反対する理由は無いな、くらいの軽い気持ちだと思われる。売れない本当の理由は、既に日本人に鯨は不要ってことではなかろうか。

調査捕鯨なんて無駄なことは止めればいい。

一方、鯨の知能を捕鯨反対の理由にする人達がいる。その意見には違和感を覚える。鯨を人間みたいに扱う論理は論理と言えるのか? 一体どうやって知能を測るのか? たとえ測れたとしても、一体どこからが食べて良くてどこから食べちゃいけない知能なのか? 鯨だけ食べちゃいけないとホントに言えるのか? よ-分からん。

*:「“公海” ならいいだろ? “公海” はどこの国にも属さない海なのだから。」という理屈には賛成しかねる。自分たちがgiveしていない場所からtakeする行為は不公平。遠い海の公海にある生物資源は、おそらくその海の近くの国が栄養を供給している。調査捕鯨は、その生物資源を奪うことだ。

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2007年10月 5日 (金)

"炭と菌根でよみがえる松" - 潮風に強い松で、護岸を兼ねて明媚な海岸を取り戻そう

本書"炭と菌根でよみがえる松" は、「白砂青松」を合い言葉に、枯れが広がる松林の美しさを取り戻そう、という著者とその関係者の活動をつづったものだ。松単独の性質だけでなく、植物どうしの相性、植物と菌の共生を踏まえた松林の再生を訴えている。

読み始めて、先ず謙虚な文章に好印象。

戦後、画一的に進められた松とニセアカシアの混植と、林の手入れを疎かにしてしまったことが、今の松枯れを招いていること、松は貧栄養状態の土壌を好み、そこで松露(=ショウロ)等の菌と共生してこそ立派に育つといったことが、著者の長年の経験と共に書かれ、説得力がある。

松と聞いて真っ先に思い浮かぶ地衣類はもちろん '松茸'。それがアカマツ林に生えることは知っていたが、クロマツ林にも美味しい '松露' と言うキノコが生えるなんて始めて知った。

この本を図書館で借りようと思った切っ掛けは、本で紹介されている松林再生のいくつかの活動舞台に、私の故郷と今の職場が含まれていることを、目次から知ったことだ。幼い頃、松を非常に身近に感じていたし、それが枯れていく姿は見たくないという著者の意見に共感し、読んでみることにした。

ただ、書かれてる松林再生の方法自体は、植物のこと、地衣類のこを知ってないと、とても難解で、素人の私には半分も分からない。絵や写真は皆無に近い。その手の内容が書かれてる部分は、正直玄人向け。松枯れの現状や苦労話、自然と人間の関わりについての記述が主題だと思って読めば面白いが。

ところで、ずーっとある疑問を抱きながら読んでいた。「護岸や環境を重要視する著者の主張には賛成する。しかし松が枯れて植生が広葉樹へ移行してしまうことに、なぜ著者は反対してるんだ? 自然の摂理で広葉樹の林が出来ればそれでいいじゃないか。なぜ松なんだ?」と。

その答えは、約300ページある本の最後から数ページのところにあった。「植物遷移理論上は、針葉樹が広葉樹に変わることは自然だが、広葉樹は潮風に弱いため大きく成長せず枯れていく。海岸には潮風に強いクロマツが最適である。」(原文は異なるが、主旨をまとめるとこういうこと。)これを本の最初に書いて欲しかった。

環境維持には、自然に任せるだけでなく、人の手が必要であることが良く分かった

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