19日の朝日新聞に、調査 “鯨肉 さばけぬ悩み” という記事が載ってた。調査捕鯨が拡大してるのに販路が貧弱なため鯨肉が売れないという内容。
朝日新聞は、8日にも捕鯨と鯨食について取り上げていた。記事は、一般の人を対象にして捕鯨と鯨食について尋ね、その回答をまとめたもの。結果は、捕鯨にも鯨食にも賛成派が多かった。まーそんなもんだろう。
私は鯨食に反対ではない。ただ、鯨が好きでもないから積極的に賛成するつもりもない。仮に自分が牛を嫌いで食べないとする。だからと言って他人に牛を食べるなとは言えない。それと同じ理屈。
一方、今の調査捕鯨には反対だ。わざわざ何千キロ、何万キロ先の海まで行って捕鯨することはオカシイ。
鯨を食べることは日本の文化だから捕鯨をするんだと主張する人達がいる。積極的な捕鯨賛成派はそのように言い張るだろう。その主張どおり、日本人は昔から鯨を食べていたようだ。ただし一部の人が近海の鯨を食べていたのであって、今のように他所ん家の海*まで行って捕ってきた鯨を食べていた訳ではない。
調査捕鯨は、マグロを食べるために日本の漁船が世界中の海を荒らすのと同じに見えてしかたない。日本がその場所(=海)からtakeだけしてgiveしない。不公平であり、負の外部経済を作り出している。捕鯨従事者は、自分たちだけがそこの資源を奪っているという意識はないのだろうか?
それに、鯨を食べる人達はそういうことを意識してるのだろうか? 疑問だ。遠い海で獲れたマグロを無頓着に食べるのと同じで、手に入れば食べるというだけだろう。
殺してしまったものは有難く食べるというのは分からなくもない。今市場に出回っている鯨肉は調査捕鯨で殺してしまった鯨を無駄にしないために食べようという理屈らしい。
しかし、調査捕鯨が目標にしているのは、結局食べるための商業捕鯨がいつになったらそこ(つまり他所の海)で出来るようになるのか早く見極めたいということだから、泥棒が他所の家の宝物を物色するのと同じだ。
日本の近海で捕れる鯨(マグロも)で我慢したら?と思う。もっとも、鯨の餌となる資源が減少したり、鯨そのものを捕獲し過ぎたために、近海で鯨が捕れなくなったのだろうから、現実には捕鯨は諦めるというのが自然だ。どうしても捕鯨をしたいなら、近海の海洋生物資源を回復させることが先決で、その後、鯨の数が回復したら捕鯨を再開し、生態系バランスが崩れない範囲で続ける、というのが筋だ。
なお、日本が捕鯨にこだわる本当の理由は捕鯨産業の生き残りであり、消費者の方はさほど鯨食にこだわってはいないように思える。冒頭に書いたとおり、19日の記事によると、販路の貧弱さが鯨肉消費の伸び悩みの理由だと説明している人達がいるらしい。その理由は嘘っぽい。8日の記事の調査は、鯨食に賛成する人が多い結果となっているというのに。鯨肉を求める人が本当に多ければ、商売人達が放っておく訳が無い。おそらく賛成している人達の大半は、自分は食べなくても反対する理由は無いな、くらいの軽い気持ちだと思われる。売れない本当の理由は、既に日本人に鯨は不要ってことではなかろうか。
調査捕鯨なんて無駄なことは止めればいい。
一方、鯨の知能を捕鯨反対の理由にする人達がいる。その意見には違和感を覚える。鯨を人間みたいに扱う論理は論理と言えるのか? 一体どうやって知能を測るのか? たとえ測れたとしても、一体どこからが食べて良くてどこから食べちゃいけない知能なのか? 鯨だけ食べちゃいけないとホントに言えるのか? よ-分からん。
*:「“公海” ならいいだろ? “公海” はどこの国にも属さない海なのだから。」という理屈には賛成しかねる。自分たちがgiveしていない場所からtakeする行為は不公平。遠い海の公海にある生物資源は、おそらくその海の近くの国が栄養を供給している。調査捕鯨は、その生物資源を奪うことだ。
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